毎度…ですが、お久しぶりです。
一部のお友達の方は存知だと思いますが、相方の仕事の関係で昨年末に東京からスイスのバーゼルへ引越しました。
とりあえず、元気です。
お別れに頂戴したあのベルはまだ使ってないです。いつか使ってみます^^;
一時寒波が襲来して連日-10℃位の寒~い日々もありましたが、
普段は東京より過ごしやすい気がします。暖かいです。
写真:寒波で氷塊になったティンゲリーの噴水
凍る前は
こんな感じです。
…近況はそんなところです。
日本の頃と変わりが無く特筆すべき点が無くてですね、、
相方さんのブログの方が更新頻度が高いのでそちらをどうぞ=3
前回から半年間更新が無いのにファンが離れなかったり(逆に増えた!? )お友達申請が来るので嬉しいような申し訳ないような。
代わりにと言っては難ですが、廃墟好きな人なら興味がありそうなモノを自宅地下に見つけましたので宜しければご覧下さい。
※
早く更新したかったので、まとめ方がイマイチなのと画像の貼り方が雑なのはご了承ください。
いつか修正します。 …いつか。
The Bunker 〔The VA-75 Schutzraum Anlage〕
スイス生活3日目。今は専ら主
婦夫。
(スイスと日本で貿易他事業をお考えの方、使ってやって下さい!)
入居後初の洗濯のためアパート地下に有る共用のランドリーを目指し階段を降りる。
スイスの殆のアパートではランドリー(洗濯機と乾燥機や物干し部屋)が共用で、それらは地下にあるのが普通。今回それを初めて使うことになった。
プリペイドカード機。
予めICチップ付きクレジットカードの様な専用のカードにいくらかチャージして洗濯前にこの機械に挿し込み洗濯機を起動。
洗濯後に使用時間や洗濯コース別の金額が引き落とさせる仕組み。
このシステムを導入しているアパートは多い。
因みにこの張り紙は管理人
のオジさん(なぜかいつもカウボーイハット。太鼓腹白髪口数多)によるものもの。
この3枚のうち、
「洗濯物を12時間干したら早くしまってね」と書いてあると、
「自分の区画以外のランドリーを使うな!」と貼られているのは多分自分のせい^^;
ここ以外にも同じ内容の紙が至る所に貼られている。
これ以上張り紙を増やさないよう気を付けねば…
洗濯機─スイスはドラム式が主流。
縦型が普及していないのは硬水が関係しているとか?
洗濯機が前述のプリペイドカード式になっていたり、洗濯水に温度設定があるなど日本の洗濯機とは異なる操作に戸惑い
洗濯機を動かすだけで15分もかかった。
…無事に洗濯機も起動できた。本題はここから(w
地下階には長~い廊下があり、それにランドリーや物置、機械室がつながっているが、それにしても広いのが気になったので廊下の反対側まで歩いてみることにした。
薄暗い地下室の廊下は冷・温水管の配管が走っていて、結構好きな雰囲気。
廊下を30m程歩いた所で、次の電灯のスイッチを探していると
薄暗い先に何か大きな扉が見えた。
あれは~金庫…かな...?金庫にしては妙だな。開けっ放しだ。
電気を付けると金庫では無い事が分かった。
スイスでは一般家庭にもある核シェルター(Bunker)だ。
おおっ♪
これは日本では滅多にお目にかかれない物件♪
では早速、お邪魔します♪♪
入り口の扉
鋼鉄の枠がついた分厚いコンクリートの扉。
黒い縁取りは気密性を保つ為のゴムパッキン。
1トン位有りそうだけど、一人で開閉出来るのかな?
試しに開け閉めしてみようとも思ったが、施設の性質上不用意に触れるのは良くないのでそっとしておいた。
黄色い片口スパナ
扉を閉めた後は閂(かんぬき)を締め、このスパナを使いネジの締結力によって封鎖する仕組み。
閂
家を探す際に様々なシェルターを見たけど、閂はどこもこの様な簡素な作りだった。
第二扉
最初の扉を通るとすぐに2枚目の扉に遭遇。
第一の頑丈な扉があるにも関わらず、こちらも同じく堅牢な作り。
この扉により前室が設けられている。
恐らく、前室内で防護服の着替えや除染が出来るようにする事で核攻撃後の汚染期間中も外部状況把握の為にシェルターへの出入りを可能にするものだと思われる。
だが、それを証明する除染装置等は配置されていなかったし、それらを行うにはやや狭い様子。
室内の様子
露出オーバになってしまったのを加工しているので画像が不自然…
こんな所の写真を撮っている姿を他の住民に見られるのはお互いによくないので、深夜に撮影した。
それでも早く済ませたいあまり、露出を誤ったまま撮ってしまった;
窓
本来核シェルターに窓は不要。
設置コストや気密性や強度の点においてウイークポイントになるからだ。
これが設置されている理由はメインのドアが開かなくなった場合の予備の為だろうか。
撮影時は換気のため開けられていた。
フィルター装置
電動で作動し、死の灰─Falloutで汚染された大気を濾過して取り込む。
ディーゼルトラックのエアクリより大きく、しっかりした造り。
フィルターの耐用時間などは不明。
思ったよりシンプルな外見だけど、生物/化学兵器にも対応しているのだろうか?
もしダメな時はB級サバイバル映画にありがちなヒステリー展開になるよりは潔くおっ死(ち)んだ方が良さげ。
フィルター装置のモーター
因みに、モーターの故障や電源喪失時は備え付けのハンドルをベンチレーター部分に挿して手動で動作可能な様だ。説明表示に加え、ハンドルが置いてあった。
つまり、そんな時は24時間みんなで交代しながらハンドルをグルグル、
グルグル。
…Enjoy your stay! ... (゚д゚;)
吸気パイプ
外から吸入したフィルターを通る前の汚染大気が通るパイプ。
吸気状態を示すインジケーターの様な物が付いている。
フィルター装置の説明
丁寧に独仏伊の3ヶ国語で書かれているが…もう少し頑張って英語でも書いて欲しかった...
…まァ、英語もロクに読めませんがね('A`)。
因みにスイスに流通する製品のパッケージには大抵三ヶ国語で説明がされている。(勿論英語は無し)
ここでは英語の数字でさえ通じない事も多い。
…郷に従って英語よりもドイツ語の習得に重点を置こうかな。
勉強したら読んでみよう。
換気弁
ワンウェィ構造になっていて、室内の空気を外へ排出する。
室内の気圧を外より高めに保つことで、シェルター内に汚染された空気が侵入するのを防ぐ役割もある。
スイスでは核シェルター法なる法律により住居への核シェルター設置が義務付けらているそうで、普段は物置やワインセラーに利用可能
(相方の会社にはトイレ兼核シェルターが有りました…)ですが、核攻撃の危険がある際は24時間以内に核シェルターとしての用途を復帰させるよう定められています。
実際、殆のアパートの核シェルターは普段物置として使われていて、
部屋を借りると1世帯当たり2畳半位のスペースを物置として使うことができる。
(これが借家生活にありがちな収納不足を解決してくれて非常に便利!)
居住区
結構広い。そしてシンプル。。
核の冬が明けるのをひたすら待つ場所。
食料及び水の貯蔵庫、発電機や簡易トイレ等が有ると思われる。
生存への希望の砦のはずだが、無骨で薄暗い造り。
希望が潰えた時はコンクリートの棺桶か…
もう一台フィルター装置と窓があった。
居住区のフィルターは1部屋目のものより大きい物が置かれていた。
2台あれば安心かな…
ここに居ると段々と人間の業が恐ろしく感じられてくる。
この施設は映画さながら降り注ぐ隕石から逃れる為のものではなく、
人間が作った大量破壊兵器の存在に対して造られたものだから。
探索と言う道楽の対象にしても生々しい物件だ。
ここでは防空壕や核シェルターを総じてBunkerと呼ぶらしい。
皮肉な事に日本では原発事故で密かな注目を浴びている。
スイスも日本と同じように平和国だけど、核シェルター以外にも
政府が国民の安全と利益を守ろうとする意思が様々な所に見られ、また国民自身の危機管理意識の高さもあり、それがどこか羨ましく感じた。
製造元:MENGEU社
MENGEU Schutzraum-Technik(ドイツ語)
http://www.mengeu.ch/g3.cms/s_page/78650
う~ん暗い。いつにまして暗い。後味悪い。
失礼しました。
次回…またいつになるか分かりませんが^^;
早速、近所に鉄道廃墟を発見したので撮りに行く予定です。
そう、もっと明るい話題を。明るく!
でも廃墟。
更に、バーゼル郊外に廃鉄橋があるのを偶然googleの航空写真から発見したので、雑草が茂る前に撮りに行ければと。
その他スイスの古城や、車ブログらしくこちらの車事情などネタは沢山あります!
お楽しみに♪