2012年06月19日
スキーとクルマ、過ぎたるは及ばざるがごとし。
自分語りになるが、付き合ってくれるだろうか。
ここのところ、解ったかのようにサッカーの話題を取り上げているものの、俺は球技が大の苦手。体育の授業でサッカーをやれば、試合中は一人ぽつねんと留守番デフェンダー、キーパー以上にゴールポストと仲良しだった。そんな俺でもまともにやれたスポーツがあった。それがスキー。
大学生時代、結構な頻度でスキー場に通った。最近はからきしやってないけど。
バッジテストを受けるなんてことはサラサラ考えていなかった。道具にもほとんど金は掛けておらず、予備校時代の友人からもらった180cmそこそこのクナイスルの板に、高校時代から使っていた古くてちゃっちいチロリアのビンディング。靴は親戚の伯父さんからお下がりしたラングだった。
この板が細身で軽くて柔らかく、格段に扱いやすい。お下がりのラングはビチビチサイズで激烈に硬かったが、足裏の感覚がそのまま板に伝わる。ビンディングが若干弱いことを除けば、細かいターンを楽しんだり、コブ斜面でギャップの腹をなぞりながら、軽快に滑り下りるにはもってこいの振り回しやすさだった。
そんなバランスの良さから、結構な難斜面でもそれなりに滑れるようになっていた。
ところが、この当時(90年代半ばから後半にかけて)は、カービングスキー誕生前で、自分の技量に合わせて長いスキーをはくのがステイタスだった。メータースキーといって2mオーバーのスキーを自由に振り回すのが上級者でカッコよかったわけだ。メータースキーでねじ伏せるようなパワフルな滑りにあこがれていた俺は、扱いやすいスキーを振り回せることで調子に乗ってしまった。
シーズン前、バイト代をつぎ込んで、道具をそろえた。板はフィッシャーのスーパーチューブとかいうガチガチに硬い競技スキー用の板で200cmのやつ、ビンディングは板に負けないように、チロリアのごついやつを買った。靴はとりあえず容赦ない硬さを誇るラングだったので、板に負けることはなかろうと、そのまま履き続けることにした。今まで履いていたスキーは邪魔とばかりに、廃棄処分してしまった。
いざ、一新した道具での初すべり。散々なものだった。トレーニングなど積んでいない軟弱な脚でガチガチに硬いメータースキーなど操れるはずはなかったのだ。そもそもエッジを効かせるだけでも一苦労。いままで、軟いスキーでしなりを十分効かせて滑ってきたツケだろう、硬いスキーをしならせ反発力を制御しながら、それこそ脚力で押さえつけて滑るなどの技量もなかった。体重移動もままならず、メータースキーの先端はフラフラと不安定にふらつく、ちょっとのギャップでスキーが重なる。
しかしながら、前のスキーは捨ててしまったし、折角新調した道具ももったいない。慣れれば何とかなるだろうと、何回も練習に行いったものの、ついぞ慣れることはなかった。結局は、スキーそのものが楽しくなくなり、ゲレンデに行く回数が激減。あえなく、新しく買いそろえた道具は埃をかぶることとなってしまった。・・・・なんかここまで見ると、俺はただの根性無しだな。苦い思い出。
インプレッサやグランツァSを運転する楽しさに思いをはせると、そんな昔の思い出がよみがえる。
そこで思った、クルマも一緒なのかなと。いや、そんなもんじゃねぇと反論もあるだろうが、なんとなくだが雰囲気は近い。俺もハイパワーでスパルタンなクルマに対するあこがれはある。ガチガチのスポーツ車をブイブイ走らせてみたら格好よかろうなとも思う。ただ、いま十分に楽しめているところを味わいつくすのも幸せなのかなと。いいかえれば、ただの臆病者かもしれんし、クルマに見合った技量を磨こうともしない軟弱者かもしれん。スキーも車も、道を究めるほどの目的意識のないライトユーザーである俺にとっては「過ぎたるものは及ばざるごとし」なんでないかと。
クルマには「所有する喜び」ってのもあるからすべて一致するわけでもないだろうけが、「操る喜び」ってものは、操れる範囲内でこそ得られるものだってことは忘れないようにしたいと自分で納得した次第。
とはいうものの、今の車でも振り回して走れるほどの技量はないし、ハイパワー車やピュアスポーツ車を買えるほどの財力もないから、いらん心配なんだけどさ。まぁ、負け犬の遠吠えともいいますか。
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Posted at
2012/06/19 18:37:10
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