2014ワールドカップ　アジア最終予選　オーストラリアvs日本戦（2012.6.12）

　最終予選、初のアウエィ戦。

　ベテラン勢を並べ、世代交代のことなんざお構いなし、「今を生きる」オジェック監督率いるオーストラリア代表。シューオーツァー・ニール・ブレシアーノ・ケーヒルとかドイツＷＣの中心メンバーが顔をそろえるセンターライン。オマーンとのアウエィ戦で消耗しており、コンディション面でも日本有利とささやかれていた。

　しかし、そこはオーストラリア代表。年齢面での不安は経験面でのアドバンテージ。がっちり２ラインで守備ブロックを作り、いつもと変わらないロングボール→競り勝って落とす→拾ってシュートという黄金のワンパターン。しかしワンパターンが戦術の熟成につながっているともいえるわけで。体格を生かした老獪な体の入れ方、競り合いでの圧倒的な高さ、経験も相まって解っていても止められない。

　前半20分ぐらいまでは、オーストラリアも先制点を狙いに強烈なラッシュ。再三にわたり、「いつか見た光景」を思い起こさせるような、チャンスシーンを作られる。川嶋のファインセーブもさることながら、以前とは違い、パワープレーで守勢に回ったとしても、落ち着いて対応していた日本。猛攻をしのぎ切る。

　猛攻の後、動けなくなったオーストラリア。高さは超えられないものの、本田・香川の切れは上々。そこに絡む長友の上がり。前からガツガツプレスを掛けてくるわけでなく、あくまで壁で防ぐようなオージーだけに、日本が押し込む展開に。ただ、ボコボコのピッチも相まってパスミスからのカウンターや、壁に阻まれてからのカウンターを気にしながらの攻め。

　0-0で折り返し、後半、両代表にとって、不可解なファール判定を繰り返していた主審が、ブレシアーノに代わって入ったミリガンに対し二枚目のイエロー提示。なんとミリガン退場。（あの主審、ミリガンが2枚目のイエローになるってことが解からずに、イエロー提示したよな。）
　一気に日本優勢となるが、１人少ないとはいえ、カウンター主体のチームに対し調子に乗って攻め上がってるとカウンター一発で沈む可能性は十分。オージーの20番、清水でプレーするアレックスの動きはそれだけ厄介だ。
　
　しかも、こういう審判は帳尻合わせするのが常。慎重にならざるを得ない。
　
　しっかり崩しきった上で、シュートを狙うあまり、なかなかシュートを打たないシーンにヤキモキ。さすがにＰＡ内でのオージーの守りは固く・高く・しかも上手い。　
　ただ、ボール扱いのうまさは、日本の方が圧倒してるのは事実。散々振り回していけば、いずれ消耗しチャンスが生まれるものである。

　そんな中、ショーコーナーから本田へ、ＰＡ内に入り込み、ファーサイドへグラウンダークロス。そこには、フリーとなった栗原が詰めており、押し込んで先制。やはり、圧巻の本田。

　が、でました帳尻合わせ。オージーのコーナーキックの際、ＰＡ内の位置取りで競り合っていた内田がイエロー。ＰＫ献上。たしかに、相手の体に抱きついたように見えたものの、精度のあるクロスでもなく、相手も見送ったような状態。それを格段イエローにしてしまっては、セットプレーでＰＫ連発になってしまう。「帳尻合わせの可能性がある中で、内田は軽率だった」と言ってしまうには、内田が気の毒なレベル。

　これで、流れはオージーへ。内田と交代で入った酒井の経験不足は否めず、オージー相手で守備面での拙さが露呈してしまう。さらには、カウンターで抜け出したアレックスはオフサイドであったが、対応しようとした栗原が2枚目のイエローで退場。なぜだ。

　もう笑うしかないレベル。どっち有利とかでなく、見え見えの帳尻合わせだろ。ファール判定もぶれブレだし。
　後半ロスタイムは、本田のＦＫはセットしたところで試合終了のホイッスル。思わず爆笑の幕切れであった。

　ただ、俺の記憶ではＪリーグの試合でも、まぁ前半終了のロスタイム中、ＣＫに入る前に給水を行い時間がかかったら、ホイッスルならされたことがあった気がする。まぁ、そこは審判の判断も仕方のない所もあるのかなと。ただ、普通は蹴らせるよな。

　なんだかんだで、前半のオージーの猛攻を凌げたことは収穫であり、アウェイの審判お笑い劇場の中勝ち点1を取れたことはプラスと考えよう・・・とはいうものの、勝利の味は何時でも味わいたいのが本音。
　香川がＤＦに囲まれたなかで、持ち前の敏捷性を活かしたターンを見せた切れ味はいいんだが、欲をいえば、ＰＡ内でシュートを打てるシーンを見たかった。それだけ、マークがキツク、打たせてもらえなかったんだろうけどね。ただ、ＰＡでフリーになってシュートを打たなかった遠藤にはちぃっとがっかり。前述の通り、カウンターに対するケアもあるんだろうが、前空いてるのに打たないのは見ていてずっこける。　

　まず、タフな相手とのアウェイ戦お疲れさま。